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音楽と香りが交差する夜 – New Action! やさしいみらい[complex]EP Release Party 【ライブレポート】

新宿の夜、ライブハウスの扉を開けた瞬間、音楽と香りが混ざり合う特別な空間が広がっていた。スピーカーから鳴り響くビートに身体を揺らす観客、そしてフロアにふわりと漂う中華スパイスの香り──会場の一角では、チョウさん特製の「回鍋肉」が提供され、訪れた人々の五感を刺激していた。

この夜の主役は、やさしいみらい。そのリリースを祝うべく集まったバンドたちが、それぞれの個性をぶつけ合う熱狂の一夜となった。イベントのオープニングを飾ったのは、DJ星原喜一郎。彼がフロアを温めると、続くDJたちもそれぞれの選曲で会場の空気を作り上げていく。

そして、最初のバンドがステージに登場する──。

バンドのトップバッターを飾ったのは、ロックやソウル、ファンクを織り交ぜたサウンドで観客を魅了する YIKO。この日は女性ボーカルの MONARI が不在のため、「Dynamite Version」と称した6人体制でのステージとなった。

MCでMONARI不在について触れると、会場からはクスッと笑いが起こる。しかし、バンドの熱量は変わらない。SATORIが力強いボーカルで会場を牽引し、ギターやコーラスが熱を帯びるにつれ、観客も自然とそれに応える。まるで音の波に包まれるような感覚が広がっていく。

途中、イベントの主催者へ向けた「やさしいみらい」のリリースを祝うメッセージが贈られると、観客からも暖かな拍手が沸き起こった。ライブハウスの空間に、音楽を通じたつながりが生まれる瞬間だった。

そして迎えたラストナンバーは、YIKOの代表シングル 「どうかしてる」。バンドのソウルフルな演奏に呼応するように、観客のクラップが響き渡る。ステージとフロアの境界が溶け合い、一体感が生まれる感覚。バンドのテーマである「LOVE」が、まさにその場で形となったような瞬間だった。

グルーヴィーなリズムとともに幕を開けた HALLEY のステージ。バンドが一音を鳴らした瞬間、観客はハンズアップで応え、会場は序盤から熱気に包まれる。サウンドはタイトかつダイナミックで、楽曲の転換もシームレスに行われるたびに、バンドの完成度の高さが際立った。

中盤では、てひょんの甘美なボーカルが響き渡る。どこまでも伸びる歌声が、空間を柔らかく染めていく。ギターやベースのソロが炸裂するたびに、歓声が沸き、会場の熱はさらに上昇。音の波がフロア全体を包み込んでいく。

MCでは、年末にメンバーの体調不良が続いたことをネタにし、「インフルエンザバンド」と自虐気味に語る場面も。観客から笑いが起こり、緊張感のある演奏とユーモアのあるトーク、そのギャップが HALLEY の魅力を際立たせる。会場に温かな空気が流れる中、やさしいみらいのリリースを祝うメッセージも送られ、場の一体感はさらに深まった。

そして迎えたラストナンバーは、最新シングル 「Billet-Doux」。緩急を巧みに操る演奏で、感情の振れ幅を大きく広げる。曲が終わると同時に、歓声と拍手が会場を満たし、最高の熱量を残してステージは幕を閉じた。

イベントのラストを飾ったのは、やさしいみらい。彼らが登場する直前、DJ星原が再びブースに立ち、最後の熱をフロアに注ぎ込む。そして、ステージが暗転し、一瞬の静寂の後に鳴り響いたオープニングナンバーは、代表シングル 「少林」。力強いラップとエモーショナルなボーカルが絡み合い、会場のボルテージは一気に最高潮へ。

続く 「Blackout」 では、一転してしっとりとした雰囲気へ。メロディアスなサウンドが観客を包み込み、ステージとフロアの間に静かな共鳴が生まれる。その空気を切り裂くように、MCでは当日の朝に雪が降ったことに触れつつ、「雨が降っていればよかった」と呟くと、そのまま 「雨」 へと突入。静けさと切なさが溶け合うサウンドに、観客はじっくりとその世界観に浸った。

アンコールでは、メンバー全員がグッズの 「回鍋肉Tシャツ」 に着替えて登場し、昨年リリースされたシングル 「回鍋肉」 を披露。今回フードで回鍋肉を出すきっかけとなった「回・鍋・肉」の掛け声から始まるグルーヴィーなナンバーに、観客はシンガロングとハンズアップで応え、最後まで熱狂が続いた。

やさしいみらいのステージが終わった後も、イベントの熱は冷めることがなかった。締めくくりを担ったのは、New Action! クルーによるDJプレイ。次々とバトンを渡し合うようなプレイで、最後までフロアの熱を保ち続けた。

最後の一音が鳴り終わり、歓声と拍手が会場を満たす。フロアには、ライブの余韻と、まだ消えない回鍋肉の香りが漂っていた。音楽と匂い、熱狂と温もり──五感を刺激する夜が、確かにそこにあった。