アジア版グラミー“MAJ”で、フィリピン音楽の存在感を世界へ
2025年5月21~22日に京都・ロームシアターで初開催されたMusic Awards Japan(MAJ)にて、フィリピンのバンドLola Amourの代表曲「Raining In Manila」が、フィリピン・ポピュラー音楽特別賞を受賞した。
MAJは「アジア版グラミー賞」とも呼ばれ、日本およびアジア各国での優れた音楽作品を表彰する新たな音楽賞。今回の受賞は、Lola Amourにとって初の日本での表彰であり、バンドとしての新たな節目を刻むものとなった。

“City Pop”へのオマージュが、アジアをつなぐヒット曲に
2023年6月にリリースされた「Raining In Manila」は、80年代の日本のシティポップにインスピレーションを受けた楽曲。
軽快なグルーヴとセンチメンタルなメロディラインが話題を呼び、リリース以降、数千万回を超えるストリーミング再生を記録。TikTokやInstagramでは数多くのカバーやリール動画に使用され、瞬く間に世界中へ広がった。
フィリピン国内でも2024年のAWIT Awards(フィリピン版グラミー賞)にて、「ソング・オブ・ザ・イヤー」「レコード・オブ・ザ・イヤー」「最優秀ポップ録音」「最優秀パロディ録音(Michael V.とのコラボ “Waiting Here Sa Pila”)」の4部門を受賞。
今回のMAJでの受賞は、そんな「Raining In Manila」が国境を越えて響いた証でもある。
「夢にも思わなかった」──バンドの想いを乗せて
授賞式には、スケジュールの都合で参加できなかったメンバーに代わり、長年のマネージャーであるMika Ordoñezが京都へ渡り、代理でトロフィーを受け取った。
ボーカルのPio Dumayasは、公式コメントで次のように語っている。
「まさか僕たちが国際的に評価される日が来るなんて、夢にも思っていませんでした。このような形で、日本の舞台で賞を受け取れたことを心から光栄に思います。
『Raining In Manila』は、80年代のシティポップに触発されて生まれた曲なので、日本で評価されるのはとても特別な意味があります。
世界中の友人たち──この曲にインスピレーションをくれたすべての人に、ありがとう!」
各国のアーティストが受賞、日本とアジアをつなぐ音楽祭
「フィリピン・ポピュラー音楽特別賞」は、各国のポップミュージックを讃える部門として設けられ、Lola Amourのほか、以下のアーティストが同時受賞している:
• SEVENTEEN(韓国)
• Jeff Satur(タイ)
• Zhou Shen(中国)
• Salma Salsabil(インドネシア)
• Tüng Duong(ベトナム)
授賞式では、宇多田ヒカル、新しい学校のリーダーズ、Number_i、Creepy Nutsなども登場し、華やかなステージが繰り広げられた。
新曲「Misbehave」で9周年を祝う、無料コンサートも開催

今年で結成9周年を迎えるLola Amourは、5月30日には新曲「Misbehave」をリリース予定。
さらに、フィリピン・ルネタ公園の野外音楽堂にて、ファンに向けた無料コンサートも開催する。
リリース情報
Lola Amour – Raining In Manila
リリース:2023年6月