生きることに疲れたすべての人へ──“それでもいい”と寄り添う、やさしいメッセージ

インドネシア・ジャカルタ発のシンガーソングライター Feby Putriが、5月25日、新曲「Perasa yang Baru Tumbuh」のミュージックビデオを公開した。
本作は彼女のアルバム『Hitam Putih』の収録曲のひとつであり、“生きること”に静かに寄り添うラブレターのような作品。心が疲れ切ってしまった人たちへ、「立ち止まってもいい」と優しく語りかけるような1曲となっている。
“止まってもいい”、だけど“諦めなくていい”
「Perasa yang Baru Tumbuh」は、精神的に追い込まれている人々への返答として生まれた楽曲。
Febyは、これまでSNSなどを通じて、”生きる意味を見失いかけた”人々から数多くのメッセージを受け取ってきたという。
中には、「もう生きるのが苦しい」「終わりにしたい」と語る声もあった。
「この曲は、そういった人たち一人ひとりに返事をするような気持ちで書いた。私にとって一番心に近い形、それが“音楽”なんです」──Feby Putri
MVでは“残された人たち”の視点を描く
監督も自身で務めた、心の奥に届くビジュアル表現
今回のミュージックビデオでは、Feby自身が監督としても参加。
物語は、「自ら命を絶ってしまった人の“家族”」──つまり“残された人々”の視点で描かれる。
「人生に疲れきってしまった人が必要としているのは、時にたったひとつのハグだったり、あなたの存在を思い出させてくれる小さな瞬間。
それが、生きる力になることもあるんです」──Feby
日常のなかにある何気ない愛情。小さな仕草やまなざしが、どれだけ誰かの人生をつないでいるのか──Febyはその“かけがえのなさ”を丁寧に描いている。
脆さ(vulnerability)を受け入れる、インドネシア若手シーンの声
Febyはこれまでも、“脆さを肯定する”メッセージを一貫して発信し続けてきた。
「Perasa yang Baru Tumbuh」もまた、誰かに強くなることを強いるのではなく、「疲れてもいい」と認めることの大切さを歌っている。
この曲はヒロイズムではない。悲しみを美化するわけでもない。
それでも、誰もが「しんどい」と感じたとき、そこにいてくれる“歌の存在”だ。
ミュージックビデオ「Perasa yang Baru Tumbuh」
- 公開日:2025年5月25日
- アルバム:『Hitam Putih』収録曲
- 監督:Feby Putri
- 共同監督:rikiiins
- プロデューサー:rickysptwn
- アートディレクター:amadeusarah
- DOP:kaurnia_prtma
- Wardrobe:nisanursalamah
- ヘアメイク:selasihsaodah
- 出演:mallogic_
- ロケーション管理:reksybahrein
- オフライン編集:rikillins
- カラーグレーディング:fadhlandzikri
- BTS撮影:valleryyss